ゴム試験のタイプ

TAインスツルメントのゴム試験装置は、ポリマー、ゴム、ゴム化合物のレオロジーおよび物理特性の測定と、製造の全段階のために幅広い試験を実行します。日常的な製造管理から、上流の研究開発まで、さまざまな複雑性の試験が、同じレベルの容易性と精度で実施されます。

試験を種類で並び替え:

国際規格

ASTM、DIN、ISOなど、多くの標準化団体、および、加硫、高度、密度、ムーニー粘度など、多くの試験の仕様に適合する試験規格の説明と装置。

規格 説明
ASTM D5289 ゴム特性の標準試験手法—ローターレス加硫計

RPAelite, RPAflex, MDRone

ASTM D6048 生ゴム、非加硫ゴム複合体、熱可塑性エラストマーの応力緩和試験に関する標準慣行

RPA elite, RPA flex

ASTM D6204 ゴムの標準試験手法—ローターレス剪断レオメーターを使用した非加硫レオロジー特性の測定

RPA eliteRPA flex

ASTM D6601 ゴム特性の標準試験手法—ローターレス剪断レオメーターを使用した硬化および硬化後の動的特性の測定

RPA eliteRPA flex

ASTM D7050 予想される処理特性に基づく天然源からの採取とベールの並び替えに関する標準慣行

RPA eliteRPA flex

ASTM D7605 可塑性エラストマーの標準試験手法—ローターレス剪断レオメーターを使用したポリマー融解物レオロジー特性の測定

RPA eliteRPA flex

ISO 6502 加硫計の使用に関する説明

RPA eliteRPA flexMDR one

ISO 13145 ローターレス剪断レオメーターを使用した粘度と応力緩和の決定

RPA elite, RPA flex

DIN 53529 ゴムのエラストマーの試験、加硫特性の測定 (硬化測定)、反応速度に関連する架橋等温線の評価

RPA eliteRPA flexMDR one

ISO 2781 ゴム、硬化、熱可塑性 — 密度の決定

ADT

ASTM D1817 ゴム化学に関する標準試験手法 – 密度

ADT

ISO 868 プラスチックとエボナイト — デュロメーターの使用による押込硬度の決定 (ショア硬度)

AHT

ASTM D2240 ゴム特性に関する標準試験手法 – デュロメーター硬度

AHT

ISO 7619 ゴム、硬化、熱可塑性 — 押込硬度の決定

AHT

ASTM D1646 ゴムの標準試験手法 – 粘度、応力緩和、加硫後特性one粘度計)

MV one

ISO 289 未加硫ゴム – 剪断円盤粘度計を使用した決定

MV one

DIN 53523 ゴムとエラストマーの試験、one剪断円板粘度計を用いた試験、スコーチ挙動の決定

MV one

ムーニー粘度計実験 

基本、および高度のムーニー粘度計実験の説明と例。ムーニー粘度計実験は簡単に実行でき、履歴データとの連続的な比較を行い、ゴムの粘性と弾性に関する情報を提供します。典型的な試験として、ムーニー粘度、応力緩和、スコーチなどが挙げられます。さまざまな速度での高度な実験により、ポリマー剪断速度の影響を詳しく理解することができます。

Mooney Viscosity

ムーニー粘度

ムーニー粘度計試験は非硬化ゴム材料の特性評価に適した方法です。サンプルは以下の詳細に規定された標準手順に従って、規定の期間、事前に加熱され、その後一定速度で剪断されます。ムーニー粘度は変形段階の最後から記録されます。この例では、MVone 粘度計の卓越した精度が示されています。3つのポリマーサンプルが重複して試験されました。優れた測定間の再現性と、ポリマーの区別の容易性は明白です。

適した装置:MV one


Mooney Stress Relaxation

ムーニー応力緩和

ムーニー粘度実験は通常、ポリマーの粘度を示し、応力緩和は弾性率を特定するために使用できます。ムーニー粘度測定が完了したら、ローターは即時に停止し、トルクの減衰が見られます。この減衰の勾配はポリマーの弾性率を示しています。構造の分岐に関連している可能性があります。また、ゴム処理における押出膨張とよく一致しています。

適した装置:MV one

 


Mooney Scorch

ムーニースコーチ

ムーニー粘度計は加硫の初期速度の測定にも使用できます。この例では、小型ローターを使用してスチレンブタジエンゴム (ABS) の加硫前特性を150℃で試験しています。このシンプルな実験では、初期のムーニー粘度、最小粘度、スコーチ時間、硬化インデックスなどの値が主に報告されました。

適した装置:MV one

 

Mooney Viscosity at Multiple Rates

複数の速度におけるムーニー粘度

単一の速度と温度での粘度に加え、MVone ムーニー粘度計は幅広い剪断速度と温度で粘度を測定できます。この速度範囲によって、剪断流動化の傾向など、ポリマー挙動の理解が深まります。ムーニー粘度の速度が低いことは、そうでなければムーニー粘度測定を利用できない高弾性材料の測定にも有益です。

適した装置:MV one

RPAおよびMDR実験 

硬化および粘弾性の振動と過渡試験これらの試験はゴムのレオロジーでもっとも広く使用されている方法であり、加硫と硬化、粘弾性特性、充填剤構造、ポリマー構造などに関する情報を提供します。

RPAおよびMDR試験装置は振動、またはポリマーとゴム特性の動的測定を実行します。これらの試験から、基本的なトルク情報だけでなく、貯蔵弾性率 (E’)、損失弾性率 (E”)、タンデルタ、粘度も分かります。振動試験は硬化または加硫の分析だけでなく、グリーンゴムと硬化ゴムの粘弾性特性、充填剤構造、ポリマー構造の測定にも広く使用されています。

Isothermal Cure

等温硬化

等温硬化実験はゴムとエラストマーの処理に重要です。TAインスツルメントのゴム用レオメーターは簡単に分析できる高精度のデータを提供します。最低粘度、最高粘度、スコーチ時間、変化時間など、重要なすべての特性を簡単かつ自動的に計算できます。比較または別の分析のために、データは完全なグラフィック形式で処理できます。

適した装置MDRone, RPAflex, RPAelite


Non-isothermal Cure

非等温硬化

RPAとMDRは業界標準の等温硬化方法だけでなく、非等温硬化実験も実行できます。これらの実験は、事実上どの温度プロファイルでも従うようにプログラムでき、等温でない製造プロセスをシミュレートするとき、特に役立ちます。非等温硬化実験は、硬化の前後にひずみおよび周波数掃引などの等温試験と組み合わせて、硬化の前、間、後における、より完全な材料のデータセットを提供することもできます。

適した装置 MDR oneRPA flexRPAelite

 


Isothermal Curing at Variable Strain

可変ひずみでの等温硬化

標準試験手法では多くの場合、単一のひずみおよび周波数の値 (0.5°、1.67 Hz) をすべての材料で使用する必要がありますが、これらの値はすべての材料に対して常に理想的な条件であるとは限りません。この例では、サンプル材料が3つの変形振幅でそれぞれ5回、等温硬化によって試験されています。標準の0.5°と0.4°では、実験の変動は非常に広くなっています。その理由は、これらの実験が材料の線形粘弾性限界を超えるひずみで実行されたためです。小さい振幅 (0.3°) で試験すると、再現性が大幅に改善された有効なデータを得られます。

適した装置 RPA flex, MDRoneRPAelite

Isothermal Frequency Sweep

等温周波数掃引

材料の周波数に依存する粘弾性特性を測定することは、分子構造を理解するために優れた手段です。示されている周波数掃引から平均分子量 (交差点振動数) と分子量の分布 (交差点弾性率) に関する情報が分かります。

適した装置 RPAflexRPAelite

 

Strain Sweep for Filler Loading

フィルターロードのひずみ掃引

ひずみ依存性の弾性率は、ゴム充填剤の分散と相互作用の量と種類の指標として特に重要です。この例では、5つの量のカーボンブラック添加剤が低ひずみ領域に影響を与えていることが分かります。高ひずみ挙動は通常、充填剤添加の影響を受けません。充填剤間の相互作用の影響が減り、ポリマー分子量、ポリマーと充填剤との相互作用の影響が増えるためです。

適した装置: RPAflexRPAelite


High Strain Non-Linear Behavior

高ひずみ非線形挙動

非常に高いひずみにおける材料の粘弾性応答は、線形の場合と比較して、振幅が異なるだけでなく、種類も異なります。高ひずみにおけるポリナーの応力-ひずみ応答の綿密な分析から、充填剤の内容と構造に関連する特徴とポリマー構造が分かります。この例では、線形ポリマー、分岐ポリマー、2つの混合物について、高ひずみにおいて、質的に異なる特徴が見られます。Scarabaeus Softwareを通して、相関関係の無いデータ、周期的データのFT解析を利用でき、この新しいデータタイプの詳細な分析が可能になります。

適した装置 RPA flexRPAelite

Time Dependent Structure Breakdown

時間依存構造破壊

カーボンブラックを充填したゴムにおける弾性率の増加の原因である分子間相互作用は処理の影響を大きく受けます。この例では、同じサンプルがミキサーから取り出された後で、さまざまな長さの圧延を受けています。炭素の編目構造は8分まで圧延時間が増加するほど減少しています。その後は圧延時間を増やしても弾性率は変化しません。これは一貫した加工材料を作るために必要な圧延の両に関する重要な情報を提供します。

適した装置 RPA flexRPAelite

Cure with Blowing Reaction

発泡反応による硬化

最終生成物の密度と機械的特性は多くの場合、発泡剤を使用して区画構造を作ることによって強化されます。これらの発泡剤は硬化反応と同時に、分解中に気体を発生させます。硬化反応中にサンプル圧力を監視することは、発泡反応を定量化するための有効な手法であり、1回の実験で硬化と発泡を特製評価できます。最終生成物で所定の区画構造を構築するため、これら2つのプロセスのバランスをとる必要があります。

適した装置 MDRoneRPA flexRPAelite